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疾病・病気

2017年7月 5日 (水)

パーキンソン病治療のtips

パーキンソン病の治療のtipsというか、裏技というか、

神経内科の専門医であれば、患者にきちんと伝えなければ

ならないことを知らない人が多いことに今更ながら驚いた。

患者さんたちに知っておいてほしいことは、

L-DOPA(メネシットやマドパーなど)を牛乳やヨーグルトと一緒に

飲まないこと。

L-DOPAは高蛋白食品と一緒に飲むと、たんぱく質に吸着されて、

吸収が悪くなり、症状が悪化するのだ。

牛乳やヨーグルトを食べるのは、L-DOPAを飲むときでなく、

その前後1時間くらい間隔をおいてほしい。

また、パーキンソン病の患者は便秘が多いが、便秘薬の

マグネシウム製剤(マグミットやカマグなど)もL-DOPAと

一緒に飲んではいけない。一緒に口に入れるとよくわかるが、

口の中がまっ黒けになる。正確なところはわからないが、

なんらかの化学変化が起こるようで、同時に服用すると

L-DOPAの効果が半減するので、牛乳などと同じく、

1時間くらい間隔をおいて服用してほしい。

2017年1月21日 (土)

耳鳴り(耳鳴、Tinnitus)

亡くなった父が耳鳴りに悩まされていた。


さまざまな治療を探したが、うまくいかなかった。

耳鳴り治療のことを書いた本もいろいろ買いあさっていたようだった。

生きているうちに治療してやることができなかったのが悔やまれる。

耳鳴りの治療法は意外なところにあった。

神経内科医にとっては常識といえるかもしれない。

答えは抗てんかん剤である。

抗てんかん剤にもいろんな種類があり、

人によってはある程度の副作用が生じるものもある。

耳鳴りの治療には、あまりてんかんに使われない抗てんかん剤を使う。

一般名はクロナゼパムで、商品名としてはランドセン、リボトリールだ。

だいたい8割くらいの人は眠気が生じるので、寝る前に1錠或いは半錠を

投与すると、眠気の出る時期は睡眠中なのでちょうどよい。

だいたい24時間くらいは耳鳴りが軽くなる。中には完全に

耳鳴りが止まる人もいる。保険診療で使える薬で、病名は

ミオクローヌスでOKである。

リボトリール・ランドセンは1錠0.5mgが9.1円とあまり高くない。

しかも1日1錠から0.5錠で効果があるので、お得だと思う。

耳鼻科医が使用方法を知らないことが問題となるくらいだろうか。

くれぐれも耳鳴りで神経内科を受診しないようにしてほしい。

2016年11月18日 (金)

手足のしびれと脱力

先日手足のしびれと脱力を主訴として紹介された患者が来院した。

紹介元の内科開業医はギランバレー症候群を疑って紹介したようだった。

しかし、四肢の腱反射は(+)で、しびれ感は両手両足の指先に見られた。

ギランバレーでは腱反射は低下するのが一般的であるが、手足先に

しびれ感がみられることもある。

この患者では腱反射の低下はなく、耳介前部の叩打で顔の筋肉がピクッと

動きそうになるようだった(Chvostekクボステック徴候)。

血圧計のマンシェットを上腕に巻き、前腕阻血試験を行ったところ、

30秒で指が動き始め、1分で助産婦手位が出現した(Trousseauトルーソー徴候)。

低カルシウム血症によるテタニーと考えて、採血したところ、血清カルシウム濃度は

正常であった。それよりも血清カリウム値が低下していた。

本人の話では下剤や利尿剤、さらにはいわゆるサプリメントは服用していないと

いうことであった。

神経内科の病気ではないが、これはバーター症候群であろうと考え、さらに

レニン、アルドステロンの測定を行ったところ、レニンだけが高値であった。

バーター症候群は小児期発症であることが多いのだが、この患者は成人

それも30代であったので、あるいはGitelman(ギッテルマン)症候群である

可能性も考えられた。

現在精査中であるが、それにしても、神経内科の教科書に記載されていないような

疾患でいかにも神経疾患様の症状を呈するものには一般内科の知識が不可欠である。

2016年9月29日 (木)

心マ唄

救急の日(9月9日)は過ぎてしまったが、心臓マッサージの唄を作ってみた。

心マ唄

道に倒れた人あれば 
声かけ揺すり動かして 
返事がなけりゃ大声で 
人手を集めて119(イチイチキュウ)

両手を重ね、胸骨の 
下半分に手を載せて 
ひじを伸ばして、背を伸ばし 
5センチばかり押し下げる 

息がなければ顎上げて 
鼻を押さえて口付けし 
息を吹き込む呼吸法 
30押して息2回 

AEDが着いたなら、 
パッド2枚を胸に当て 
スイッチ入れてちょっと待ち 
機械の指示に従おう 

押したらゆるめ息を吹き  
急(せ)かず手抜かず繰り返せ 
逃げる命を呼び戻せ 
命を救え心マ唄 

次はこれに曲をつけてみたいが、いつになることやら

2016年2月 4日 (木)

SMON

SMONは通常スモン病として知られているが、その実態はあまり知られていない。

若手の医師に尋ねても、知らないことが多い。

SMONはSubacute Myelo-Optico-Neuropathy(亜急性脊髄視神経ニューロパシー)

の略で、腹痛・下痢などの腹部症状に引き続いて、特有のしびれ感が足先から

胸腹部まで上行し、下肢の痙縮や脱力をきたし、視力障害・失明や脳幹障害に

よる死亡まで生じた。

一言で言ってしまえば、薬の副作用でもたらされた病気である。

キノホルムという化学薬品がその原因である。

戦前戦後の日本では、一般的な胃腸薬として用いられており、

病院でも処方され、当時は一般的だった富山の置き薬にも入っていたようだ。

現代に当てはめるのはちょっと無理かもかもしれないが、強いて挙げれば

解熱鎮痛剤のアセトアミノフェンみたいなものだろうか。

これは処方箋でも出せるし、薬局薬店で買える解熱剤にも入っている。

ともかく、その薬(当時はエンテロヴィオフォルムとかエマホルムなどの商品名)

が多量に用いられて神経障害が発生したのである。薬害としては有名であり、

「スモン」で検索するとさまざまな情報を得ることができる。

代表的なものとしては

スモン−薬害の原点 https://www.hosp.go.jp/~suzukaww/pdf/iryo_vol63_no4.pdf

スモン-キノホルム薬害と現状https://www.hosp.go.jp/~suzukaww/smon/pdf/smon_paper.pdf

http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/topics/dl/tp130604-01_2.pdf


当時病気の解明に携わった医師・研究者の書かれた本であるが、

当時の状況がひしひしと伝わる内容であった。

しかし、SMONは日本以外ではほとんど発生していないらしい。

何らかの体質的・遺伝的素因が関係しているのであろうか?

2015年1月10日 (土)

病床日誌

3日前から咳が出始め、2日前から熱が出た。インフルエンザ抗原検査は陰性だった。 

クラビットと葛根湯を飲んで寝ていたけど、身体中が痛くてまっすぐに寝ていられない。 

右向きになったり、左向きになったりしたが、落ち着かない。まさしく身の置き所がない 

という状況だった。昨日の夜からタミフルを飲みはじめたら、熱が下がりだした。

2014年11月27日 (木)

気胸

先日当直の時に、市の夜間急病センターから電話があった。

呼吸困難でやってきて胸部エックス線で気胸が見られたとのことだった。

最近では気胸を治療する施設が少なくなり、夜間は我々の病院の

呼吸器外科医が一手に引き受けてくれている。

胸写では程度は軽いとのことだったが、一応呼吸器外科医に相談して

連絡するということにした。夜中だったが、呼吸器外科医は快く

引き受けてくれた。

ほどなく救急車で患者がやってきた。持ってきた胸写を見ると、確かに

気胸のような線が縦にみえるが、その末梢に肺紋理が追える。

念のために撮り直した胸写では気胸は見られない。胸部CTでも

何の異常も見られない。呼吸器外科医は苦笑いしながら対応してくれたが、

貴重な治療医に無駄な労力を強いるのはやめてほしい。

急病センターの医師の診断能力が低すぎたのだが、せめて胸部CTで

診断を確定させてから連絡をしてほしかった(もっともCTを撮っていたら

連絡は来なかっただろうが)。

2014年11月10日 (月)

医療知識

インターネットで医療のことが調べられるのはいいことだ。


しかしながら、医療知識はまだまだ普及していないようだ。

先日、わざわざインターネットで調べて自分の病気が

「手根管症候群」ではないかと疑った患者さんが、さらに

わざわざインターネットで医療機関を調べて、神経内科外来に

やってきた。神経内科では手根管症候群の診断は行えるが、

治療は、症状を緩和するだけで、根本的治療は内科的に

その原因となっている疾患(例えば関節リウマチや甲状腺

機能低下症など)を治療することが必要だし、症状が強ければ

最終的には整形外科でステロイドホルモンの局所注射や

手術的治療を行うことになる。

インターネットで医療知識が普及するのはいいことだが、

公的機関がもっと直医療知識を普及させることが必要なのでは

なかろうか。そのためにはテレビや新聞、インターネットをもっと活用してほしい。

2014年8月26日 (火)

腰痛

腰痛には時々悩まされることがあるが、最近のネットニュースでは、

腰痛の原因のひとつとして仙腸関節の異常が言われており、

AKA-博田法という手技のできる整形外科医に仙腸関節の

マッサージというか、関節を動かす施術をしてもらうとかなり良くなる

らしい。ただし、このAKAという手技は難しいらしく、その解説書(結構高価)

を読んだだけではできず、AKA学会とかいうところの研修と認定が必要らしい。

また、登録料がかなり高いようだ。

自分でできる方法がないかと模索している。

まずは腰を伸ばす。仙骨の先端をぐっと後ろに反らす、というか

上に反らすというか・・・



このへたくそな絵のように仙骨を反らすと、少しは仙腸関節に影響を与えられないだろうか?

(悪魔のしっぽではありません)

2014年7月31日 (木)

アルツハイマー病とサーモン

先日NHKでインスリン点鼻薬でアルツハイマー病が治療できる、というような話があったと

聞いた。自分では見ていなかったので、調べてみた。そうすると、米国ではかなりの大金を

投じて研究が進められているらしいことが判明した。

Regerらは、アルツハイマー病の患者にインスリン点鼻薬を用いて認知機能がよくなるかど

うかを調べたところ、遺伝性のないグループでは認知機能がよくなったと報告している。

Intranasal insulin administration dose-dependently modulates verbal memory and plasma

β-amyloid in memory-impaired older adults. J Alzheimers Dis. 2008 April ; 13(3);323-331

アルツハイマー病に対する点鼻インスリン治療のレビューでは、アルツハイマー病の髄液

中のインスリン量の低下と脳のインスリン感受性の低下つまりインスリン抵抗性が記載し

てあった。

Intranasal insulin as a treatment for Alzheimer's disease: A review of basic research

and clinical evidence. CNS Drugs. 2013 27:505-514

アルツハイマー病では脳の神経細胞に老人斑と呼ばれる物質が沈着するが、これはβア

ミロイドとNFT(neurofibrillary tangle)と呼ばれる絡まった微小のひも状物質から構成されて

いる。NFTはタウ蛋白と呼ばれる物質が過剰にリン酸化されたもので、これが多いとアルツ

ハイマー病の認知機能は悪くなる。タウ蛋白のリン酸化がインスリン機能不全で促進され

る、つまりインスリン機能不全はアルツハイマー病の認知機能を悪化させるということが多

くの動物実験でわかってきた。

Insulin dysfunction and Tau pathology.  frontiers in cellular NEUROSCIENCE 11 February

2014 (www.frontiersin.org)

ここまでならば、糖尿病はアルツハイマー病の一つの原因になる、ということで終わりなの

だが、その後、養殖サケの汚染の話を聞いた。養殖サケの産地は主にノルウェーで、ここ

ではサケを養殖するときに大量の殺虫剤のような薬を撒くそうである。そのため、ノルウェ

ー政府は自国の若い女性や妊婦にはサケを食べないように通達を出しているそうである。

ただ、これはノルウェー以外の国には内緒だったようで、フランスのニュースですっぱ抜か

れて大騒ぎになっているらしい。すでにロシアはノルウェー産の養殖サケの輸入を禁止した

らしい。なんだかんだ言われてもプーチンはしっかりしている。

    検索エンジンで、「養殖サケ 汚染」と入れて調べると簡単に調べられます。

    ノルウェーサーモンは体に毒 Marie Claire
    http://www.marieclaire.fr/,le-saumon-norvegien

    グーグル翻訳サイトで翻訳ができます。
    https://translate.google.com/

サイエンスに載った論文がきっかけだったのだろうか?

Global assessment of organic contaminants in farmed salmon.  Science 2004 303:226-

229

この論文では北ヨーロッパ産の養殖サケにPCBやダイオキシンその他の有機塩素化合物

が非常に多いことが書かれている。

これを受けて東京都健康安全研究センター食品化学部残留物質研究科が

輸入サケ類のダイオキシン類残留レベル 東京健安セ年報 Ann. Rep. Tokyo Metr.

Inst.P.H.,56, 215-220, 2005

に、ノルウェー産サーモンがダイオキシン、PCBなどがダントツに多いことを報告している。

さらにノルウェーの研究者が、養殖サケに含まれる汚染物質はインスリン抵抗性を引き起

こすことを報告し

Persistent organic pollutant exposure leads to insulin resistance syndrome.  Environ

Health Perspect 118:465-471(2010)

Chronic consumption of farmed salmon containing persistent organic pollutants causes

insulin resistance and obesity in mice.  PLoS one 6(9): e25170.

doi:10.1371/journal.pone.0025170

もっと進んで、大西洋養殖サケが2型糖尿病を引き起こすという論文も出ていた。

The role of persistent organic pollutants in the worldwide epidemic of type 2 diabetes

mellitus and the possible connection to farmed atlantic salmon (salmo salar). 

Altern Med Rev 2011;16(4):301-313

養殖サケがインスリン抵抗性を引き起こすのであれば、2型糖尿病だけでなく、アルツハイ

マー病やその他の病気を引き起こす可能性が十分に考えられる。したがって、少なくともノ

ルウェー産のサケは今後食べないようにするのが自己防衛になるだろう。

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